ES細胞 | 様々。

ES細胞

ES細胞って知ってますか?
胚性肝細胞というらしいです。
これは特殊な機能をもった細胞で、
分裂増殖によって、人間の様々な部分になる機能を持っているそうです。

通常の人間の細胞は、皮膚なら皮膚の、肝臓なら肝臓の機能しか持たず、
分裂増殖によってもそれ以外の機能を持つことはありません。
だから、疾患がある臓器や手術等で失われた臓器は他者から譲り受け
それを移植するしかないんです。

しかし、ES細胞を用いれば、その特殊な機能によって、
自在に各部分の臓器を作り出せるようになる可能性があり、
臓器移植でしか完治しない病で、
ドナーが見つからないような患者でも
病の克服が可能になるかもしれないということ。

また、体中の筋組織が次第に萎縮して、
最後には死をもたらしてしまう病(病名は忘れてしまいました)
に対しても、筋組織の再生ができる可能性があるとか。

素晴らしい技術であることは確か。

しかし、ES細胞の研究には重大な問題があります。

それは倫理・道徳問題です。

ES細胞は受精卵から取り出されます。
その際、受精した胚(初期の赤ちゃん)を殺してしまうということ。
それが許されるべき行為なのかという問題があるんです。

また、再生医療はそれに伴って、クローン問題も含んでいます。

これは倫理・道徳は尚のこと、宗教関係の問題も絡んでいます。

胚に手を加えることから、
「ヒト」という種そのものの誕生に対して、
その神聖性を冒涜するものだ。
との批判をかっている。

このような批判の中でも、
韓国とイギリスはES細胞の研究の先進国だそうで、
韓国では、先日、このES細胞に関する研究が部分的にではあるが、
政府から認められたとのこと。

その影響で、
この情報に生きる希望を見出す者と、
激しい憤怒の念を抱く者とで
賛否両論が飛び交っているそうです。

もし、この研究がさらに進んで、
再生医療で使用できるほどになれば、
一つの命によって、一つの命が助かる。
つまり、命の選択ができるようになるということ。

この命の選択という問題、ES細胞の研究以外にもあります。
それは脳死認定を受けた人からの臓器移植です。

今、日本では、15歳以下の子供が脳死認定を受けた場合、
臓器を提供できるかどうかが国会で問題となってるとか。
今までは、本人の意思がなければ提供されなかったんですが、
今後、家族等の承認があれば、本人の意思を問わず、
臓器を提供できるようになろうとしています。
(あくまでも、15歳以下の子供に対してです。)

今、苦しんでいる命を助けるべきなのか、
自我を持たない、1つの細胞の命を守るのか。

完治する可能性が高い者の命を助けるのか、
そうでないものにも、可能性を持たせ、その者の命を守るのか。

その判断が困難であることには間違いありません。
生命に関する問題が簡単に解決されては困りますし。
しかし、技術が進歩すれば、
必ず何らかの形で結論を出さねばならないときが来るはず、
「ヒト」が自らで作り出した問題ですから。
そして今、それについて思い悩むのが
「ヒト」の義務なのかもしれません。

ちなみに、日本でももちろんES細胞の研究は行われていますが、
研究者と政府関係者との間で、熱の入り方が違っているらしく、
国会等でこの研究の賛否を争うことは無いに等しいとか。

また、アメリカではES細胞の研究には否定的らしい。
僕的には少し意外だな、とも思ったんですが、
大統領があの人だと思えば納得できますね。